更新:2018年11月03日
技術者たるもの知的財産を理解すべし。
ドラマ「下町ロケット」でも特許のクロスライセンスの話がありましたよね。
技術で飯を食っていくためには、特許に代表される知的財産が何たるかを理解しておくことが重要です。
個人的には「特許」と聞くと、年間何件出願みたいなノルマ的な印象が強く、あまり良いイメージがなかったりしますが。。
さて、知的財産の定義については「知的財産基本法」で規定されています。
2 この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう。
知的財産≒特許のようなイメージを持つかもしれませんが、他にもいろいろ定義されていることがわかります。
馴染みのない僕としては「植物の新品種」が知的財産として明記されているのは新鮮でしたし、他にも営業秘密も知的財産であることは把握しておく必要があると思います。
技術士第一次試験では、知的財産権に関する問題が平成30年度と平成22年度で同一の問題が出題されています。
【出典:平成29年度技術士第一次試験〔適性科目〕II-7】
ものづくりに携わる技術者にとって,知的財産を理解することは非常に大事なことである。知的財産の特徴の1つとして,「もの」とは異なり「財産的価値を有する情報」であることが挙げられる。情報は,容易に模倣されるという特質を持っており,しかも利用されることにより消費されるということがないため,多くの者が同時に利用することができる。こうしたことから知的財産権制度は,創作者の権利を保護するため,元来自由利用できる情報を,社会が必要とする限度で制限する制度ということができる。
次に示す(ア)~(ケ)のうち, 知的財産権に含まれないものの数はどれか。
(ア)特許権(「発明」を保護)
(イ)実用新案権(物品の形状等の考案を保護)
(ウ)意匠権(物品のデザインを保護)
(エ)著作権(文芸, 学術, 美術, 音楽, プログラム等の精神的作品を保護)
(オ)回路配置利用権(半導体集積回路の回路配置の利用を保護)
(力)育成者権(植物の新品種を保護)
(キ)営業秘密(ノウハウや顧客リストの盗用など不正競争行為を規制)
(ク)商標権(商品・サービスに使用するマークを保護)
(ケ)商号(商号を保護)
「知的財産権に含まれないものの数」が問われています。
最初に引用した知的財産基本法に基づけば、特許権、実用新案権、意匠権、著作権、育成者権、営業秘密、商標権、商号は知的財産権であることがわかります。
残るは「回路配置利用権」。
知的財産基本法には明記されていませんが、回路配置利用権は半導体回路配置保護法で保護される知的財産権の一種です。
したがって、(ア)〜(ケ)の全てが知的財産権であり、含まれないものの数はゼロとなります。
知的財産の種類については、下記サイトでわかりやすくまとめられていたので参照してみてください。
ちなみに、平成29年度も同じ問題文で出題されていますが、問われている内容が若干異なり、選択肢が上記問題の部分集合となっています。
次の(ア)~(オ)のうち, 知的財産権に含まれるものを○, 含まれないものを×として,最も適切な組合せはどれか。
(ア)特許権(発明の保護)
(イ)実用新案権(物品の形状等の考案の保護)
(ウ)意匠権(物品のデザインの保護)
(エ)著作権(文芸, 学術等の作品の保護)
(オ)営業秘密(ノウハウや顧客リストの盗用など不正競争行為の規制)
こっちは簡単ですね!