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2018年10月31日水曜日

[一次適性]知的財産権

作成:2018年10月31日
更新:2018年11月03日

技術者たるもの知的財産を理解すべし。

ドラマ「下町ロケット」でも特許のクロスライセンスの話がありましたよね。
技術で飯を食っていくためには、特許に代表される知的財産が何たるかを理解しておくことが重要です。

個人的には「特許」と聞くと、年間何件出願みたいなノルマ的な印象が強く、あまり良いイメージがなかったりしますが。。

 

さて、知的財産の定義については「知的財産基本法」で規定されています。

第二条 この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。
2 この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいう。

 

知的財産≒特許のようなイメージを持つかもしれませんが、他にもいろいろ定義されていることがわかります。

馴染みのない僕としては「植物の新品種」が知的財産として明記されているのは新鮮でしたし、他にも営業秘密も知的財産であることは把握しておく必要があると思います。

 

技術士第一次試験では、知的財産権に関する問題が平成30年度と平成22年度で同一の問題が出題されています。

【出典:平成30年度技術士第一次試験〔適性科目〕II-6】
【出典:平成29年度技術士第一次試験〔適性科目〕II-7】

ものづくりに携わる技術者にとって,知的財産を理解することは非常に大事なことである。知的財産の特徴の1つとして,「もの」とは異なり「財産的価値を有する情報」であることが挙げられる。情報は,容易に模倣されるという特質を持っており,しかも利用されることにより消費されるということがないため,多くの者が同時に利用することができる。こうしたことから知的財産権制度は,創作者の権利を保護するため,元来自由利用できる情報を,社会が必要とする限度で制限する制度ということができる。

次に示す(ア)~(ケ)のうち, 知的財産権に含まれないものの数はどれか。

(ア)特許権(「発明」を保護)
(イ)実用新案権(物品の形状等の考案を保護)
(ウ)意匠権(物品のデザインを保護)
(エ)著作権(文芸, 学術, 美術, 音楽, プログラム等の精神的作品を保護)
(オ)回路配置利用権(半導体集積回路の回路配置の利用を保護)
(力)育成者権(植物の新品種を保護)
(キ)営業秘密(ノウハウや顧客リストの盗用など不正競争行為を規制)
(ク)商標権(商品・サービスに使用するマークを保護)
(ケ)商号(商号を保護)

 

「知的財産権に含まれないものの数」が問われています。

最初に引用した知的財産基本法に基づけば、特許権、実用新案権、意匠権、著作権、育成者権、営業秘密、商標権、商号は知的財産権であることがわかります。

残るは「回路配置利用権」。

知的財産基本法には明記されていませんが、回路配置利用権は半導体回路配置保護法で保護される知的財産権の一種です。

したがって、(ア)〜(ケ)の全てが知的財産権であり、含まれないものの数はゼロとなります。

知的財産の種類については、下記サイトでわかりやすくまとめられていたので参照してみてください。

知的財産権について(特許庁HP)

 

ちなみに、平成29年度も同じ問題文で出題されていますが、問われている内容が若干異なり、選択肢が上記問題の部分集合となっています。

【出典:平成29年度技術士第一次試験〔適性科目〕II-10(問題文省略)】

次の(ア)~(オ)のうち, 知的財産権に含まれるものを○, 含まれないものを×として,最も適切な組合せはどれか。

(ア)特許権(発明の保護)
(イ)実用新案権(物品の形状等の考案の保護)
(ウ)意匠権(物品のデザインの保護)
(エ)著作権(文芸, 学術等の作品の保護)
(オ)営業秘密(ノウハウや顧客リストの盗用など不正競争行為の規制)

こっちは簡単ですね!

2018年10月28日日曜日

[一次基礎]両性元素

作成:2018年10月28日
酸とも塩基とも反応する元素のことを両性元素といいます。

代表的な両性元素は、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、鉛(Pb)の4つです。

高校の化学で

「ああすんなり溶ける両性元素」

と覚えていたことを記憶の奥底から引っ張り出した時、なんだか脳みそから煙が出てくるような感覚を覚えました。

そりゃまぁ20年以上前の記憶ですからね。
煙が出てくるのも無理はありません(笑)。
技術士の勉強をしていると、煙を吹き出す機会が多いこと多いこと。
これはボケ防止に良いかも?

あ、話がそれてしまいました。


ちなみに、「ああすんなり」というのは

: アルミニウムの「あ」
: 亜鉛の「あ」
すん: スズの元素記号「Sn」より
なり: 鉛(なまり)より

だったと思います。

最初に書いたとおり、両性元素は酸とも塩基とも反応します。
同様に、両性元素の酸化物も水酸化物についても、酸とも塩基とも反応します

ここまで整理したところで、過去問を見てみましょう。

【出典:平成29年度技術士第一次試験〔基礎科目〕I-4-1】

ある金属イオン水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加すると沈殿物が生じ、さらに水酸化ナトリウム水溶液を添加すると溶解した。この金属イオン種として、最も適切なものはどれか。

① Ag+イオン
② Fe3+イオン
③ Mg2+イオン
④ Al3+イオン
⑤ Cu2+イオン


水酸化ナトリウム水溶液を添加することで生じた沈殿物は水酸化物であり、さらにこの水酸化物が水酸化ナトリウム水溶液と反応して溶解したと考えると、

・塩基と反応(水酸化物が沈殿)
・水酸化物が塩基と反応(溶解)

ということで、両性元素を選択すれば良いことになります。

ここで活躍するのが「ああすんなり」!

当てはまる選択肢は・・・④のアルミニウムイオンですね。

2018年10月27日土曜日

一次試験の振り返り(専門科目編)

専門科目は、『当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題』が35問出題され、そのうち25問を選択解答します。

50%以上の正解で合格となり、これは一次試験の他の科目と同様です。

対策は、こちらも過去問数年分に取り組みました。

専門科目の範囲ですが、情報工学部門の場合
  • コンピュータ科学
  • コンピュータ工学
  • ソフトウェア工学
  • 情報システム・データ工学
  • 情報ネットワーク
となっています。

これだけ見ると漠然とした印象を受けますが、個人的感覚で言うと、情報処理技術者試験の午前の知識が有効でした。

実際、平成31年度から、高度情報処理技術者や情報処理安全確保支援士の合格者は、専門科目が免除されるとのことです。
そういう意味でも両試験の親和性が高いんだろうなと思います。

自己採点結果は、25問中20問正解でした。

間違えた問題を確認すると、自分の業務領域に近く、これは間違ったらアカンやろ~と思わずツッコミを入れたくなる問題があって、なんだか情けない気持ちになってしまいました。。
間違った問題はきちんと振り返り、知識として定着させないとですね。

2018年10月25日木曜日

一次試験の振り返り(適性科目編)

適性科目は、『技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性』が問われ、15問全てに解答し、50%以上の正解が合格条件となります。

対策としては数年分の過去問を解いただけ。
特に勉強しなくても、だいたい7〜8割程度得点できていたので、まぁ大丈夫だろうと高をくくっていました。

が、この考えは甘かったです(汗)。ごめんなさい。

本番では情けないことに間違いまくり、自己採点結果は15問中8問正解で、あと1問間違いで不合格になるところでした。。

しかも、不適切な出題が1問あり、受験者全員が正解になる幸運付き。
これが無ければ、マジで駄目だったかも・・・。

過去問で間違えた箇所や弱点をきちんと補強しておけば、少なくとも2, 3問は正解を上乗せできたように思います。
7~8割解けたからと甘く考えず、振り返りの大切さを痛感させられました。

中学受験を控える息子に対し

「テストの振り返りをちゃんとやれ!」

と偉そうに言っておきながら、見事なブーメラン(苦笑)。
父親の威厳ガタ落ちっす。

さらに情けないのは、知的財産に関する問題も間違ってしまったこと。
知的財産検定2級(現・知的財産管理技能検定)を持っていると言うのに・・・。


以上、反省ばかりですが、間違った問題を中心にきちんと振り返りをして、技術者としての品格(?)を高めていきたいと思います。。

2018年10月23日火曜日

一次試験の振り返り(基礎科目編)

今回の受験にあたり、対策に最も時間を費やしたのは基礎科目でした。

基礎科目は、下記5つの分野から出題されます。
範囲は広いです。

1群 設計・計画
2群 情報・論理
3群 解析
4群 材料・化学・バイオ
5群 環境・エネルギー・技術

各分野から6問出題され(全30問)、それぞれ3問を選択解答し、トータル解答数は15問となります。

合格条件は「正答率50%以上」なので、8問以上正解すればクリアです。

つまり、30問中8問だけ解ければ良い・・・。
そう考えると出題分野は広いけれど、何とかなりそうだと思いませんか?


僕の場合、専門が情報系なので、「設計・計画」や「情報・論理」で確実に得点を稼ぎ(できれば満点を取る!)、他分野でチョロチョロ正解し、トータルで50%以上を目指す戦略を取ることにしました。


ところが、勉強開始当初、他分野はかなり厳しい状況。。
特に「材料・化学・バイオ」がヤバい。

『ヌクレオチド間のホスホジエステル結合が云々・・・』

全く理解できません・・・と言うか、日本語として認識できない。。。


正直お手上げ状態だったけれど、過去問を何年分か解いているうちに、各分野において特徴的な頻出問題があることがわかってきました。

例えば、「設計・計画」だと信頼度計算問題、「解析」だとフックの法則などなど。。。

中には過去と全く同じ問題が出題されることも。。

このような頻出問題に的を絞り、足りない知識は書籍やWebで補強しながら過去問対策を行いました。
このあたりのノウハウについては、知識整理や自己研鑽のため、今後紹介できたらいいな…と考えています。

自己採点結果は、15問中14問正解。
確実に点を取るべき「設計・計画」で1問落としてしまったのは、ここだけの話。。

2018年10月21日日曜日

二次試験、受かる気がしない…

技術士になるためには二次試験の合格が必要です。

一次試験の合格発表はまだ先の話だけれど、ここは先手必勝、択一式の過去問に着手してみるか〜。
 ↓
ん、そう言えば平成31年度から試験内容が変わるんだっけ?
まずは変更内容をチェックしないとね。
 ↓
え?! 平成31年度から択一式の必須科目が記述式に変更???
択一式の過去問やる意味ないやん。。
 ↓
仕方がないので、選択科目の過去問でも見てみるか。
記述式ってどんな感じかな?
 ↓
【平成30年度 情報工学部門(コンピュータ工学)より抜粋】
自然災害の早期警戒システムに必要な技術要素と課題を複数挙げ、多様な観点から検討せよ
 ↓
・・・・・。
(記述式じゃなくて論述式やんけ。。。)
 ↓
記述式と言えば、情報処理試験の午後Iみたいな形式を勝手にイメージしていたけれど、論文を書けってことだよな。。
これはアカンやつや。。。


…というのが、最新の心境です(苦笑)。
一次試験のように過去問を解きまくる作戦は通じなさそうですね。
さて、どうしたものか。。。

2018年10月17日水曜日

技術士試験挑戦のきっかけ

技術士という資格の存在を知ったのは、5〜6年ほど前だったでしょうか。
会社に掲示されていたポスターを見たのが最初だったと記憶しています。

2018年10月現在、Wikipediaで「技術士」を引くと
科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格
といった記載があります。
当時の僕もWikipediaだったか他の情報源だったか定かではないけれど、上記と似たような言葉を目にして、一瞬心を躍らされたと思います。資格を取得することは元々好きでしたし。
とは言え、特にアクションを起こすこともなく、日常の中に埋もれてしまってました。


それから時は流れて2018年。

40代に突入し、「退職後の生活」について妻と話をする機会が増えてきました。
先のことをあまり深く考えない面倒くさがり屋の僕に対し、老後の生活資金に危機感を覚える妻。
そんな相容れない妻との激論(?)の最中、ふと「技術士」が頭をよぎりました。

医師や弁護士のような独占業務はないことは重々理解していますが、技術士取得により自分自身に箔を付けることができ、今後のキャリアの可能性が拡がるんではなかろうか、そして充実した老後に繋がるんではなかろうか…と思ったわけです。安易ですよね。


あと、息子が来年2月に中学受験することもきっかけの1つになっているかな。

「勉強しろー」と発破をかけるだけでなく、父親自身も(試験の種類は違うけれど)試験に合格する姿を見せることで、「親の背中を見て子が育つ」的な効果を期待したりなんかして。うーん、こっちも安易かなー。


そんなこんなで甚だ安易な理由ではありますが、技術士試験への挑戦を決意したのでした。

2018年10月15日月曜日

【速報】第一次試験自己採点結果

本日、日本技術士会のHPで第一次試験の正答が公開されていたので、自己採点しました。
  1. 基礎科目: 15問中14問正解(93.3%)
  2. 適性科目: 15問中8問正解(53.3%)
  3. 専門科目: 25問中20問正解(80.0%)
適性科目、手応え的にも微妙だったのですが、ギリギリ50%超えでした(汗)。

2018年10月10日水曜日

ブログ始めました

はじめまして。totoyaといいます。

ひょんなことから技術士試験にチャレンジしたいと思い立ち、2018年10月7日に技術士第一次試験(情報工学部門)を受験しました。

勉強にあたり、技術士試験の問題集を購入して取り組んだのですが、解説が頭に全然入ってきませんでした。。
解説を見ても、例えば「公式○○により答えは△△」といった感じで、公式がいきなりババーン!って感じなんですよね。

若ければ公式の丸暗記も可能かもしれないけれど、アラフォーの脳みそにはしんどい。
もう少し公式に関する背景情報と言うか、考え方的なものがあると理解しやすい(覚えやすい)のに。
参考書も買ってみたのですが、やはり公式の羅列ばかりで読むのを断念。

そういうわけで、勉強になかなか苦労させられました。
まぁ、自分の知識が絶対的に不足しているのが根本原因なんですけどね。。

このブログでは、技術士試験で学習したポイントを頭の整理も兼ねてまとめていきたいと思っています。
また、僕と同じ苦しみ(?)を感じている方にとって、このブログが少しでも参考になれば幸いです。

よろしくお願いします。